LCC(ローコストキャリア)は、大手航空会社(レガシーキャリア)よりも格安料金で利用できます。利用者にとっては、安ければ安いほど良いですが、LCCはなぜ大手航空会社よりも安いのでしょうか?
安いのには何かウラがあるのでは、と不安に思う方もいるかもしれません。実のところ、LCCは格安料金を実現するために、実に様々な取り組みを行っているのです。
目次
LCCが安い10の理由
人件費を削減している
大手航空会社は、航空券販売やカスタマーサービスを提供するための窓口や支店があります。LCCは、予約をオンラインに限定し営業窓口や実店舗を設けないことで、人件費や設備投資などを削減しています。
また、乗務員の教育にかかるコストを削減するため、大手航空会社などで実務経験のある乗務員を中途採用するといったことを行っているところもあります。
手荷物に課金している
大手航空会社では、規定内の手荷物は無料で預かってもらえます。LCCではこの規定をより厳しくし、有料としています。
これによって課金収入が得られ、利用者が荷物を少なくすることで燃費も向上して燃料費が節約できます。
機内サービスを簡素化し、有料化している
飛行機でおなじみの機内食やブランケットの貸し出しは大手航空会社では無料サービスですが、LCCではこういったサービスを廃止または有料にしています。
有料にすることで利用者を少なくできるので、必要なリソースを削減できます。こうして、必要なコストを減らしています。
また、座席モニターなどの機内設備をカットすることで機器代金や維持費を抑えています。
飛行機に搭乗する際にタラップを使用することで、コストを削減しています。タラップの場合、空港使用料が安い、機体まで乗客が歩いていくといったことなどから費用を抑えることが可能です。
機種の統一
使用する機体を1種類に統一することで、メンテナンスやパイロットの教育にかかる費用を削減できます。航空機メーカーから特定の機種を大量に一括購入する、またはリース契約にすることでコストを抑えています。
座席を増やす
LCCでは、座席を増やして乗客を多くすることで、1フライトあたりの利益をあげています。一人あたりのコストも下がりますが、乗客にとっては座席が狭くなります。
とはいえ、すし詰め状態というほど窮屈ではありません。人によるとは思いますが、おそらく心配するほど狭いと感じることはないと思います。
また、座席クラスをエコノミークラスのみとする、座席指定を廃止して自由席にする、座席指定は有料といったLCCもあります。
機体の稼働率を高める
空港に機体を置いておくと、駐機料が発生します。また、飛行機は乗客を運ばないと利益をもたらしません。
LCCは、駐機時間を短縮して機体の稼働率を高めることで利益を確保しています。そのため、LCCは大手航空会社に比べて運航スケジュールが詰まっています。
運航スケジュールが詰まっているので、ある便が遅れるとその後の便が軒並み影響を受けやすくなっています。したがって、LCCは大手航空会社よりも遅延が発生しやすいといわれています。
人気空港を避ける
人気の空港は空港着陸料が高額なため、LCCではこういった空港を避けることが多いです。主要都市の大規模空港ではなく、地方都市の比較的小規模な空港を利用すれば、空港着陸料を抑えることができます。
路線を限定する
LCCは、格安料金でも採算の取れる路線に限定しているケースが多いです。したがって、大手航空会社のような豊富な路線はありません。
なかには、2~3路線しか運航していないLCCもあります。
マイルはない
LCCは、利用してもマイレージがつかないことが多いです。こういったポイントサービスを廃止してコスト削減しています。
キャンセル料が高額
支払後のキャンセル料が100%(利用料金全額)というLCCが多く、座席に空きが出て利益が減ることを防いでいます。
その他
その他には、機内に広告を貼るなど広告収入を得る、手荷物を減らした分の貨物を運搬することによって利益をあげるといったことをしているLCCもあります。
まとめ

LCCの出現によって、高額だった飛行機による移動はリーズナブルな価格で身近なものとなりました。とにかく安いというのがLCCのほとんど唯一にして最大のメリットです。
どうして安いのかわからないものは、利用するのに不安を感じます。LCCが安い値段を設定できる理由がわかれば、安心して利用できます。
LCCは様々な取り組みによってコストカットを実現していますが、機内サービスなどを利用して快適に旅をしたい場合は大手航空会社(レガシーキャリア)の方がおすすめです。
ちなみに、安全性については、大手航空会社もLCCも国による同一の安全基準が適用されるので、差はありません。